外来ECT当日の流れ
ECTは全身麻酔を用いる治療であるため、安全のために当日の準備や流れが決められています。
ここでは、初めての方でもご安心いただけるように、具体的な流れをご案内します。
1. 前日の準備
- 前日夜のお食事は、通常どおりお召し上がりください。
- ただし、そのあと(前日夜の食後)から絶食となります。
- 当日朝は食事をとらないでください。
- 水やお茶など透明な飲み物は、当日朝6時までは摂取可能です。
それ以降は飲食をお控えください。 - マニキュア、ジェルネイル(手・足の両方)を外しておいてください。
(酸素濃度の測定に影響するため) - お化粧なさる場合は薄めでお願いいたします。
(電気の伝導に影響が出るため、厚めのファンデーションはお控え願います)
2. 来院
- 来院時間は午前9時30分です。
- 受付後、体温・血圧・脈拍・体重などを確認します。
- 前回の治療からの体調の変化や服薬状況についても確認します。
当日の診察で発熱や体調不良が確認された場合には、
安全のため、来院後であってもECTを行わないことがあります。
3. 治療前の準備
- メガネ、コンタクトレンズや指輪などのアクセサリーを外してください。
(よくお忘れになるのが口内の舌ピアスや入れ歯です。外してくださるようお願いいたします) - ベッドに横になっていただきます。
- 点滴を行い、装置(脳波・心電図・血圧・酸素濃度)を装着します。
4. 治療(ECTの実施)
- 麻酔が開始され、全身がリラックスした状態になります。
- 筋肉をやわらげる薬も併用されるため、けいれんによる体の動きは最小限に抑えられます。
- 麻酔下でECTを行います。
- 実際の電気刺激は数秒程度で、けいれんも30〜60秒程度です。
- 患者様ご本人には、治療中の記憶はありません。
5. 回復と観察
- 治療後は休んでいただきます。
- 意識がしっかり戻り、歩行が安定するまで医師と看護師が観察します。
- 回復にかかる時間はおおよそ30分〜1時間です。
(体調やその日の状態により前後することがあります)
6. 帰宅
- 原則として同日中にご帰宅いただけます(日帰りECT)。
- 治療当日は眠気や集中力の低下が残るため、自動車・自転車の運転は控えてください。
- ご家族の付き添いや公共交通機関の利用を推奨します。
参考文献
日本麻酔科学会. 「術前絶飲食に関する考え方」改訂版. 2019.
https://anesth.or.jp/files/pdf/kangae2.pdf
